
第32回(2025年11月13日放送)
今回のテーマは、『コーチング2026』〜シリーズ・コーチング「認知科学が導く新しい地図」
「シリーズ・コーチング」という枠で括り、その1本目を「認知科学が導く新しい地図」としてオンエアしました。
苫米地さんは、まだ2025年だけれど出版には時間がかかるので、もう2026年に出る本の原稿は書き上がっていて、さらにその先の2027年分まで構想を進めているという話から始めていました。
2022年に出た『オーセンティックコーチング』は、実は約20年前、ルー・タイスと日本にコーチングを導入した頃の枠組みをあえてキープした本で、そこから先のアップデートを、これから出る『コーチング 2026』でしっかり反映していく、という位置づけになっているようです。
また、フォレスト出版から出ている『コンフォートゾーンの作り方』も、つい先日までワシントンD.C.に行く合間をぬってiPadでゲラを直しながら、ほぼ全面改訂したという制作裏話も紹介していました。
その背景として、苫米地さんがルー・タイスに「当時のトップ心理学者」としてアメリカ側の顧問団に招かれた経緯や、TPIやPX2の系譜、ハーバード大学やアメリカ心理学会とのつながりについても振り返っていました。
ルー・タイスからは「成功している自分にはスコトーマ(心理的盲点)があるから、それを外せ」「お前はノット・ノーマルだ」と言われたことが大きな転機になり、その後、国家元首クラスの人たちを紹介されていく中で、自分の役割や視点をどんどん拡張していった、という流れが語られていました。
理論の中身としては、もともと生理的な体温や心拍を一定に保つ仕組みとして説明されてきたホメオスタシス(恒常性維持)が、実は身体だけでなく「情報空間」まで拡張して働いている、という考え方が改めて示されました。
80〜90年代にアメリカで行っていた催眠や変性意識の研究、ヘッドマウントディスプレイやデータグローブを使ったVR実験、匂いや感触までありありと再現される記憶の追体験、さらに記憶を「ドラッグ&ドロップ」するように合成させる実験などを通じて、私たちの現実感は、過去の記憶が再構成されることで立ち上がっている、という仮説に至ったという話でした。
そのうえで、臨場感とゲシュタルト(部分と全体の統合)を調整している根本のメカニズムこそが、情報空間レベルまで拡張したホメオスタシスなのではないか、というのが苫米地さんの結論でした。
これまで身体の世界だけの話だと思われていた恒常性維持が、心や認知、そして「現実の見え方」まで含めた巨大なシステムとして働いている。
『コーチング 2026』では、このホメオスタシスと臨場感、記憶再構成の理解を土台に、コーチングの理論と実践をさらにアップデートしていきたい、そんな予告編のような内容になっていました。
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11/13(木)深夜0am - 0:30am
DJ:苫米地英人
ハッシュタグ:#cosmicradio
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