
11/16(日)10am - 10:40am
海に関するさまざまなプロジェクトを手掛ける日本財団の海野光行と、森里川海アンバサダーとしても活躍しているアナウンサーの高橋万里恵がお送りする『OCEAN BLINDNESS 〜私たちは海を知らない?〜』。
今回のテーマは「海洋酸性化」。
ゲストにお迎えしたのは、東京大学大気海洋研究所の教授・藤井賢彦(ふじい まさひこ)先生です。

「海洋酸性化」は聞き馴染みのない人がほとんどだと思いますが、海野さんが「これからの季節、カキやホタテがおいしくなりますよね。それがもし食べられなくなったらどうします?」と切り出したように、海洋酸性化は私たちの食卓にも直結する深刻な問題です。
藤井先生によると、二酸化炭素は水に溶けやすく、海に溶け込むと水と反応して“水素イオン”を生み出し、その結果pHが下がる。海のpHは平均8前後で弱アルカリ性ですが、現在、二酸化炭素が増えて海に溶け込んでいるため、「酸性化」してきています。
これが「海洋酸性化」と呼ばれる現象です。ちなみに、「今は確実に中性方向に進んでいる」と藤井先生。
その影響を受けやすいのが、貝やサンゴなど「殻をつくる生き物」たちとのことです。
「炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムでできた殻や骨格が溶けやすくなり、つくられにくくなる。サンゴ、エビ、ウニ、カニといった生き物が直接影響を受けやすい。とくに幼生期が弱い」と語ります。
実際に、アメリカでは2005年から2009年の間に、カキの稚貝が大量死する事例が発生。
海洋酸性化が初めて世界的に注目されるきっかけとなりました。
対策として、子ども(稚貝)の時期だけハワイなど別環境で育ててから養殖場に戻す手法がとられているそうですが、日本のようにその場で産卵・養殖を行う地域では、今後こうした仕組みを維持できなくなる可能性もあると指摘します。
そんな中、日本財団と藤井先生らは、2020年から岡山県や宮城県などで実態調査を進行中。
「沿岸では雨による陸からの流入で有機物が増え、それが分解される際に二酸化炭素が発生する。その影響からCO2が増えていることがわかった」とのこと。
ただし、現時点ではマガキの幼生に目立った異常は確認されていません。
「影響が出ていないのか、まだ見つけられていないのか、そこを今後も研究していく必要がある」と語りました。
そして、海洋酸性化の影響は貝類だけにとどまりません。
海野さんが「海洋酸性化が進むと、100年後の海はどうなるんでしょう?」と尋ねると、藤井先生は「私たちの予測では、日本近海ではサンゴがいなくなってしまう可能性もある。海の生態系や地場産業も大きく変わっていくでしょう」と予測を話されました。
このほかにも、日本近海にある「海洋酸性化が進んだ将来の海を先取りしている場所」があること、そして、海洋酸性化への対策として世界と日本、私たち個人としては一体どうすればいいのかについて話していますので、AuDeeやSpotifyなどのPodcastをぜひお聴きください!
【AuDee】OCEAN BLINDNESS 〜私たちは海を知らない?〜
https://audee.jp/program/show/300008436
さて、来週11月23日(日)の放送は、久しぶりの生放送を行います!
テーマは「海のグルメお取り寄せスペシャル」!!
そこで、あなたの好きな海のグルメをぜひメッセージで送ってください。
また、海で聴きたい曲のリクエストもお待ちしています。
宛先はこちら!どしどし送ってください!
それでは、また来週~!!
♪今回のオンエアでお届けした楽曲♪
OneRepublic「Sunshine」
Jesse Harris「Having a Ball (feat. Norah Jones)」
Gabrielle Aplin「Skylight」
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11/16(日)10am - 10:40am
DJs: 海野光行, 高橋万里恵
メール: ocean@interfm.jp
番組をradikoタイムフリーで聴く ▼
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