
11/9(日)10am - 10:40am
海に関するさまざまなプロジェクトを手掛ける日本財団の海野光行と、森里川海アンバサダーとしても活躍しているアナウンサーの高橋万里恵がお送りする『OCEAN BLINDNESS 〜私たちは海を知らない?〜』。
今回の収録は、10月20~21日に開催された「海と灯台サミット2025」の会場から。
「灯台の歴史や文化を見つめ直し、未来への利活用を考える」をテーマに開催されたイベントの特別ステージで行われました。
冒頭では、海と灯台サミットの内容も紹介。
21日に行われたシンポジウムのオープニングセッションでは、海野さんがクイズ王の伊沢拓司さんと“クイズ形式”で灯台の魅力を掘り下げるトークを展開しました。
そのクイズの中から万里恵さんにも出題。
「灯台がディズニーランドに勝っていることは何?」に対して万里恵さんは「歴史」と回答すると、見事正解!
海野さんが「東京ディズニーランドは1983年に開園。でも灯台は150年以上の歴史があります」と補足しました。
では、伊沢さんはどんな回答をしたのかというと、「灯台は“待ち時間ゼロ”」、「夜景をほぼ独占できます。ディズニーは夢を見せるかもしれませんが、灯台は現実を照らします」と答えたそうです。
さすがクイズ王ですね!
そして、今回のオンエアでゲストにお迎えしたのは、「海と灯台サミット2025」にも登壇された直木賞作家の門井慶喜さん。
2018年に『銀河鉄道の父』で直木賞を受賞し、これまで鍋島灯台、美保関灯台、出雲日御碕灯台などを巡って紀行文を執筆していらっしゃいます。
そんな門井さんに、灯台と海との関わり、新しい小説の構想などについて伺いました。

今では約3300基ありますが、そもそも日本で本格的に灯台がつくられ始めたのは明治初期。
そういった灯台の歴史や資料を調べていく中で、門井さんが印象に残っているひとりは、石橋絢彦(いしばし・あやひこ)という日本人技師だそうです。
「『日本の灯台の父』と言われるリチャード・ヘンリー・ブラントンの弟子の弟子ぐらいにあたる人なんです。イギリス・スコットランド出身のブラントンは、日本に西洋式の灯台技術を伝えたあと、本国に帰らざるを得なかった。だから一刻も早く日本人技師を育てなければならなかった。そのときに活躍したのが石橋絢彦です」
また、ブラントンについてはこう続けました。
「幕末、日本は開国したばかりで、外国船から見ると灯台がない日本の海は危なっかしくて仕方なかった。だから『灯台をつくれ』と言われていたわけですが、当初は『外国に押しつけられた』という気持ちもあったと思うんです。でも実際に船で海外を見て回った日本人が、灯台がどれだけありがたいかを知って戻ってきた。そうして“国際協調”という意識が生まれた。灯台は日本人にとって、近代の入り口での大きな“教材”になったと思います」
さらに印象的だったのが、ブラントンの人物像。
「性格的にいうと仕事人間。教育にも熱心で、帰国後も“灯台をつくり守る人”を日本に残していった。だからこそ、灯台と同時に彼が遺した最大の財産は“人”だったとも言えると思います」
後半では、門井さん自身と海との出会いの話題へ。
「初めて海を見たのは小学校5年生のとき。生まれが群馬、育ちが栃木ですから、海がなかったんです。初めて見たとき『向こう岸がない!』と驚きました。それ以来、海を描くときには“大きさ”を強調しないようにしています。あと大事にしているのは“におい”。人間は目に頼りがちですが、においを描くと一気に実感が出るんです」
さらに、門井さんが「灯台を題材にして小説を考えるとしたらどんな物語になるのか」と伺ってみると、「やっぱりブラントンは外せない」と構想を語ってくださいました。
その詳細や灯台でのエピソード、門井さんの書斎についてなど、盛りだくさんの内容で放送しましたので、AuDeeやSpotifyなどのPodcastをぜひお聴きください!
【AuDee】OCEAN BLINDNESS 〜私たちは海を知らない?〜
https://audee.jp/program/show/300008436
♪今回のオンエアでお届けした楽曲♪
Mumford & Sons, Hozier「Rubber Band Man」
Ed Sheeran「Tenerife Sea」
スピッツ「灯を護る」
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11/9(日)10am - 10:40am
DJs: 海野光行, 高橋万里恵
メール: ocean@interfm.jp
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