
第38回(2025年12月25日放送)
今回の後編では、近代から現代にかけて「超国家権力」がどのように姿を変えてきたのかが語られています。
苫米地さんは、アヘン戦争以降、国家そのものが資本によって歪められてきた歴史を踏まえつつ、現代ではその代表例として世界経済フォーラム(WEF)を挙げます。
ただし、WEFもすでに内部構造が変わり、創設者クラウス・シュワブ氏が不祥事をきっかけに表舞台から退いたことで、背後関係がより露わになったと指摘します。
シュワブ氏の出自を辿ると、ナチス体制と深く結びついた軍需産業側の血統と、ユダヤ系資本の血筋が交錯しており、その複雑な背景が、国家社会主義的な思想をグローバルに拡張しようとするWEFの論理に影響しているのではないか、という見方が示されます。ロスチャイルド家にとっては、彼が「代理人」として使われてきた可能性もあり、今回の交代が不祥事によるものなのか、力関係の変化によるものなのかは断定できないとしています。
さらに話は金融システムへと進み、銀行規制(BIS規制)によって通貨の増殖には一定の上限が設けられた一方で、デリバティブ市場では事実上、元本が無限に増殖する構造が続いていると説明されます。
サブプライムローン問題も、倫理的には問題があっても、数学的には成立してしまう仕組みだったことが強調され、こうした金融空間が巨大企業の時価総額や、ごく少数の巨大ファンドによる世界支配を生んでいると語られます。
その結果、現代の超国家権力は「通貨間競争」という形で表出しており、ドル圏とBRICS圏の覇権争いが進行中だと苫米地さんは見ています。ウクライナ戦争もその一環であり、将来的にはBRICS通貨がドルや円、ユーロを凌駕する可能性が高いと述べます。そうなると、日本企業や日本社会の「上司」が、知らないうちにBRICS側へと移っていく未来も現実味を帯びてくる、という警告です。
もう一つの重要なテーマが「奴隷化の新しい形」としてのAIです。AIは単なる道具でありながら、人々が生活や仕事に依存することで、個人情報が全面的に吸い上げられ、行動や欲望そのものが間接的にコントロールされていく構造が生まれると指摘されます。AIを使うことで生産性が何倍にもなる一方、その対価として人は「より多く働き、さらにお金まで払うスーパー奴隷」になりかねない、という皮肉な構図が描かれています。
終盤では、米中関係と日本の立ち位置にも触れられます。トランプ氏が使う「G2」という言葉に象徴されるように、世界の大枠はアメリカと中国で決められ、日本は蚊帳の外に置かれる可能性が高まっているという見方です。台湾をめぐる発言や安全保障の議論も、その文脈で理解すべきだとし、超国家権力が国家の意思決定すら飲み込んでいく現実を、事実として受け止める必要があると締めくくられています。
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12/25(木)深夜0am - 0:30am
DJ:苫米地英人
ハッシュタグ:#cosmicradio
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