
第31回(2025年11月6日放送)
今回のテーマは「PX2とは何か?」という話でした。
苫米地さんは、PX2は単なる教育プログラムではなく、子どもたちが「自分の未来を自分で選び取る力」を育てるための“思考と感情の扱い方を学ぶ場”だと説明していました。
PX2の正式名称は「The Path to Extreme Success 2」。もともとルー・タイスが開発したプログラムを、子どもや若い世代向けに再構築したものです。
ルー・タイスの晩年、このPX2の国際的な展開を中心になって支えていたのが、アメリカの水泳界で歴史的な実績を持つ名コーチ、マーク・シーベルトでした。
苫米地さんは、ルー本人、そしてマークとも深い信頼関係を築いてきた経緯から、日本でのPX2の展開に直接関わっています。
PX2の特徴は、「子ども向けなのに、内容は本質的で大人にも通用する」点です。
例えば、ステップ1では「自分の考えはいつのまにか周りから刷り込まれたものだ」と知ることから始まります。
多くの子どもは、親や教師や友人に影響されて、自分でも気づかないうちに“思い込み”を身につけてしまう。
それに気づくことが、「本当に自分が望む生き方」を選ぶ第一歩になる、という考え方です。
ステップ2では「誰の言葉を採用するか」を選ぶことを学びます。
ここがPX2の核心でもあり、苫米地さんが強く大切にしている部分です。
つまり、「親や先生だから正しいわけじゃない」「周りが言う『こうあるべき』を鵜呑みにしなくていい」ということです。
もちろん、反抗しろ、という意味ではなく、「自分にとって望ましい未来につながる言葉かどうか」を基準に選べるようになるということ。
自分の思考の主導権を自分が持つ、という姿勢を育てるのがPX2の狙いです。
PX2は全12ステップからなる体系で、心の仕組み、無意識の働き、自己イメージ、コンフォートゾーン、目標の描き方、未来の作り方などを扱います。
どれも苫米地さんがふだん語る「コーチング理論」や「脳と心の構造」の考え方と地続きです。
ただ、PX2ではそれを子どもでも理解できる形に丁寧に翻訳しているところが特徴です。
日本では、このPX2を「完全無償」で展開してきた歴史があります。
これはルー・タイス本人が、苫米地さんの提案を受けて「日本だけは無料で良い」と認めた、世界でも特別なケースです。
震災後には福島での無償講座が行われ、教育現場、地域、部活動などにも広く広がっていきました。
今でも、ボランティアのインストラクターが手弁当で全国の子どもたちに届けています。
苫米地さんは今回、改めてPX2が生まれた背景と、なぜ今の日本に必要なのかを語っていました。
親や学校、社会の価値観が固定化している日本では、自分らしく未来を選ぶ力が弱くなりやすい。
その中で、「自分で考える」「自分で未来を描く」力を取り戻すことこそ、これからの世代にとって重要だというメッセージでした。
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11/6(木)深夜0am - 0:30am
DJ:苫米地英人
ハッシュタグ:#cosmicradio
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