第23回(2025年9月11日放送)
テーマ:「スマホは1日何時間という条例はアリか?」
この回のテーマは、愛知県豊明市で議論されている「子どものスマホ利用を1日2時間までに制限する条例案」をきっかけに、行政の介入の是非や家庭と社会の役割を考える内容です。
まず条例案の概要が紹介されています。対象は小中学生で、スマホやゲーム機の使用を1日2時間に制限するというものです。
背景には健康や学力への影響を懸念する声がありますが、一方で「家庭教育に行政がどこまで関与すべきか」という大きな論点を生んでいます。
苫米地さんは、行政が一律に情報へのアクセスを制限する危うさを指摘しています。
インターネットは学習やコミュニケーションの重要な手段であり、単純に利用時間を制限することは、子どもの成長や学びに悪影響を与える可能性があるということです。
国際的に見ても、子どものスマホ利用時間を法律で制限する国はほとんどなく、過剰な行政介入は情報化社会の流れに逆行するリスクがあると説明しています。
番組中盤ではスマホ依存の現状に話題が移ります。
SNSやゲームによる睡眠不足や学力低下などの問題はありますが、それは利用時間そのものではなく「使い方」に起因する部分が大きいと強調しています。
行政が時間を一律に制限するよりも、子どもが情報リテラシーを身につけ、健全な使い方を学ぶことが大切です。
さらに、この条例案は「個人の自由」と「公共の利益」のバランスという憲法的な論点も含んでいます。
スマホは学習や情報収集、コミュニケーションのための重要なツールであるため、一律規制は憲法で保障される「知る権利」や「プライバシー権」と衝突する可能性があるとしています。
海外の事例としてフランスや韓国が紹介されています。
これらの国では授業中のスマホ利用を制限していますが、家庭での使用にまで行政が介入する例はほとんどありません。
豊明市の条例案は国際的に見ても極めて例外的であることが示されています。
苫米地さんは繰り返し「スマホは悪者ではなく、使い方次第で教育効果を高められるツール」であると述べています。
親子でルールを話し合う「家庭内ガイドライン」が重要であり、行政による一律規制ではなく、家庭や学校が協力して主体的な学びを促す環境を整えるべきだとしています。
議論はAI時代の子育てにも及びます。
生成AIやリコメンド機能が膨大な情報を供給する時代には、情報を取捨選択し活用する力、つまり情報リテラシーが一層重要になります。
行政が時間制限を設けるのではなく、子ども自身が情報を主体的に扱える教育が必要です。
最後に苫米地さんは、スマホ利用時間の議論は「制限するか否か」ではなく「どう使うか」が本質であるとまとめています。
リスナーに対し、家庭や学校で子どもと一緒にルールを考え、主体的な学びや情報活用につなげることを呼びかけています。
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9/11(木)深夜0am - 0:30am
DJ:苫米地英人
ハッシュタグ:#cosmicradio
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